建物の競売物件を落札し所定の手続きをしたあと、居住者に立ち退きを依頼しますが、知識がなければ立ち退きが難しいとイメージを持つものです。しかし、落札した側が強制執行により占有者に立ち退いてもらうことはそれほど難しくないと言われています。
スムーズに占有者に立ち退いてもらい住める状態へしていくには、落札後の代金納付の時に引渡命令の申し立てを行っておきましょう。特に引渡命令の申し立てで費用がかかることはなく、占有者と交渉するときに役立つことが多いためぜひ手続きを進めておくことです。もちろん占有者の状況から立ち退きまでの期間は交渉で決めれば良いですが、強制執行の手続きがあることで占有者も区切りをつけて出ていく準備をしようとするでしょう。
中には、強制執行をするのはひどいことと感じる方もいるでしょう。しかし、たとえば住まいが競売にかけられた人は、借金の返済を滞らせたなど自分では計画することの難しい人である場合も少なくありません。そのため、強制執行と言う強い力が迫ったときになって期限を知り、その後の生活の予定を立てる役に立つのです。つまり、何も予定のない状態で立ち退いては住む場所もなくその家族も困ってしまいますが、強制執行のことを考えて動けばその後の生活に移ることができるため、むしろ相手のためとも言えるでしょう。