競売物件のメリットとデメリット

競売物件の大きなメリットとして、一般の不動産より2~3割ほど価格が安くなることが挙げられます。そのためそこへ利益をプラスして販売すれば大きな利益が得られる、また一般の価格より安くしても利益を出しやすいことから、不動産会社がよく競売物件を購入しています。しかし、会社でなく一般の消費者も競売物件を購入できるため、費用を抑えてマイホームのための土地や建物を購入したいと考える人から人気があります。

他には、不動産の購入には欠かせない諸費用の負担が競売物件にはかからないこともメリットでしょう。なぜなら既に競売物件の価格へ諸費用までを加味した上で、評価額を設定しているためです。加えて所有権の移転登記や抵当権の抹消登録など、権利関係の手続きは裁判所とすることになるため、一般の物件より負担が小さくなります。

立地や建物の特殊性から、一般の市場にはあまり出回らないものも競売物件では出されており、特殊な条件の不動産を選びたい時には競売物件から探す方法もあります。

一方デメリットには、競売物件の場合は基本的に内覧が難しく、裁判所が作成した物件明細書・現況調査報告書・評価書の3つの資料のみで判断しなくてはならないことがあります。競売物件の購入には入札が不可欠ですが、一般の個人が購入しようとするとき、適正な入札価格を入札期間の1週間~1か月の間に入札しなくてはなりません。専門的な知識がないと購入できなかったり高すぎる価格で入札したりしがちなため、知識をつけておくことです。

入札できたとしても占有者の退居までは行わず、落札者が自分で立ち退きを依頼したり、物がある場合は強制執行の手続きをしたりする必要があります。また、建物の瑕疵担保責任がないため、重大な欠陥あったとしても落札者が修繕費を負担して修理することになるのです。